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ボクシングトレーナーのエディさんと井岡、津田会長の話に涙

スマホに「本買うヤツ 遠いリング」ってメモがありました。
遠いリングって何だっけ?

調べてみると、以前読んだ「イノセントファイター」という前田日明さんの主の本の中で、エディ・タウンゼントさんとのエピソードが紹介されていて、読み終えた後にエディさん関連の本を探して辿り着いたうちの一冊です。

遠いリング
ということで「遠いリング」を買いました。
この本でエディ・タウンゼントトレーナーとボクサー井岡弘樹、グリーンツダジム津田会長の話に涙したのでした。

ボクシングトレーナー「エディ・タウンゼント」

エディ・タウンゼント
ボクシングが好きな方なら名前くらいは聞いたことがあると思いますが、エディ・タウンゼントさんってどんな人だったかご存知でしょうか?

自分もテレビで何回か拝見したのと、追悼番組での知識しかないですが・・・

◆特定のジムには所属しない、流れのボクシングトレーナー。

◆6人の世界チャンピオンを育てた名伯楽で、人間性にも優れた人物。

◆世界チャンピオンを育てたとは言え、最終調整の育成指導が主だったので、一からボクシングを教えたのは、最後の教え子である井岡弘樹のみ。
その井岡のことを「ボーイ」と呼び、実の息子のように可愛がった。

◆癌に冒されて床に伏し、世界チャンピオンになった井岡の初防衛戦の勝利を聞き届けた後に息を引き取った。

◆「ボクネ」「たいせつなのは、ハートのラブよ」の言葉が妙に耳に残っている。

自分のエディさんに関しての知識は、このぐらいです(^-^;

 

ノンフィクション作品「遠いリング」

遠いリングは、作家の後藤正治さんがグリーンツダジムに通い、ジム関係者や若いボクサーについて描くノンフィクション作品です。

遠いリングは全7章構成、エディ・タウンゼント、井岡弘樹、津田会長の話は主に第1章で紹介されていますが、ボクシングのノンフィクション作品だけあって、ボクシング好きでないとこの本はハマらないと思います。

エディ・タウンゼントの人生や名言など

うまく書けそうにないので、羅列になってしまいますが、以下、印象に残った内容や名言です。


◆ハワイ出身のエディ・タウンゼント、若い頃は自身もプロボクサーで、戦績は13勝1敗、プロとして最後の試合となった敗戦の試合は、日本軍による真珠湾攻撃の前日だった。

◆日本でヘビーウェイトのボクサーを育てるために力を貸してほしいと、力道山に請われて48歳の時に来日し、リキジムのトレーナーになるが、翌年力道山が刺殺されて以来、フリーのトレーナーとなる。

◆育てた世界チャンピオンは、藤猛・海老原博幸・柴田国明・ガッツ石松・友利正・井岡弘樹の6人。
他に、赤井英和・カシアス内藤などの育成指導も行った。

◆徹底したボクシング理論を持つ優秀なトレーナーで、有望なボクサーを持つジムから招聘を受け、選手の育成指導を行うことが多かった。
グリーンツダジムの津田会長曰く、
『具志堅用高(のようなボクサー)は、またいずれ現れると思うが、エディさんほどのトレーナーは二度と出ないと思う』

◆エディがトレーナーとつとめることがあった、金子ジムの会長が語ったエディというトレーナーの立ち位置。
「エディさんというのはやはり大学生の先生なんですよ。小学生や中学生の先生をやってもらうわけにはいかないんでねぇ」

◆ボクサーだけでなく、津田会長や多くのボクシングトレーナーからも尊敬され、みなエディ・タウンゼントから多くを学んだ。

◆井岡との出会いは、彼がまだ練習生だった14歳の頃。
津田会長に「エディさん、この子、いいでしょ」と紹介されたのがきっかけ。
以降、「ボーイ、一緒に帰ろう」と声をかけたところから始まり、時々一緒に夕食を食べ、後にジムの合宿所の同じ部屋で生活するほどウマが合った。

◆グリーンツダジムとの1年間の契約期間が終了し、東京へ帰るエディさんの送別会で、普段涙を見せることがない井岡少年が、下を向いて泣いていた。
それを見たエディさん、「泣いちゃダメよ、また、すぐ帰ってくるよ」

◆井岡がプロデビューした頃から、エディさんの身に異変が起こる。
検査の結果は大腸の進行性悪性腫瘍、手術を受ける。
手術は成功したものの、「いずれまたどこかに出てくる覚悟を」と医師の話。
その一年後に癌は再発し、肺などにも転移していることを医師から告げられる。

◆井岡が世界チャンピオンになった翌日、エディ一家は白浜旅行に行き、東京の自宅に戻った直後にエディは倒れ、以降ほとんど寝たきり状態に。
この頃、井岡は津田会長からはじめてエディの正確な病状を教えられる。

◆井岡の初防衛戦前、毎日エディさんから、「すぐ行くからね」と電話がある。

◆津田会長から新しい専属トレーナーについての相談を持ちかけられるが、井岡が返す答えはいつも同じ、
『いやいいです。エディさんに習ったことは全部憶えてますから。僕のトレーナーはエディさんだけです』

◆毎日のように大阪に行くといって聞かない夫に妻は根負けし、初防衛戦一ヵ月ほど前の白浜キャンプに車椅子でやってくる。
車椅子に乗せられたことをしきりに照れるエディ。
津田会長に、「カイチョウ、ヨシヨシしないでよ」
井岡には耳元で、「元気?やっと来たよ」

◆白浜キャンプのあと、エディは「また来ますよ」と言い残し東京に戻るが、おそらくこれが最後になるだろうと、津田会長も百合子(エディさんの奥様)も思っていた。

◆初防衛戦の2週間ほど前、大阪に行くとダダをこねはじめるエディさん。
担当医は無理だという判断だったが、諦めない夫に音をあげた妻。
ワゴン車内に簡易ベッドを作り、車で大阪までやってきた。
エディは津田会長に悪戯っぽい顔で、「カイチョウ、ボクいったでしょ。死ぬまで一緒よって」

◆試合の4日前のエディさんの言葉
「カイチョウ、ボクね、最後にいいますよ」
「カイチョウ、チャンスをくれてありがとう」

◆井岡の試合を見守りたいと切望し、試合当日は担架で会場入り。
リングサイド付近から車椅子に座って井岡の試合を見る予定だったが、控室に入ると、身体からスーッと生気が抜けたようになり、顔色は土色。
時折眼を開くが視線は合わず、発する言葉もかすれてよく聞き取れない状態。
このまま意識不明の危篤状態になり、救急車で病院へ搬送される。
病院へ搬送されたことは知らず、エディさんを別の部屋に連れて行ったと思っていた井岡。
「エディさんは?」
「うん、大丈夫だ、どこかで見ている。エディさんのためにもがんばれ!」

◆試合は、井岡が最終12回TKOで初防衛。
その頃、病院で死の淵をさまようエディさん。
病院に着いたとき、瞳孔は開き意識もなかったが、酸素吸入と昇圧剤の点滴で意識が戻る。
井岡の勝ちをエディさんに告げる次女に「うん、うん」とうなずく。

◆井岡が病院にやってきたのは、試合が終わってから2時間半後。
「エディさん、がんばりましたよ。勝ちましたよ」の言葉に、酸素マスクの下でわずかに唇を動かし、首を振ってうなずいた。

◆その後にやってきた津田会長。
エディさんにいつか言わなければと思いながら、言えば別れになってしまうという思いから、ずっと言えずじまいだった言葉をかける。
「エディさん、こちらこそありがとう。こちらこそありがとうございました」

◆エディさんが息を引き取ったのは、それから5時間余り後の午前1時過ぎ。
3度、首を伸ばすように動かしたのが最後の動きだった。
「ああきっと、井岡にパンチをよけろと言ったんだ」と、枕元の百合子はそう思った。

 
【エディ・タウンゼントの名言】

『ボクね、タオル投げるの早いとよく言われますね。ロイヤル小林のときもいわれたね。
でもね、ボクわかったの。小林の腰、二番目の縄にガクンと落ちたの。あれ以上やったらダメ。
お客さん、二万円も三万円も払っている。もっともっと殺し合いを見たいの。
でもボク、人間よ。ボクサー、人間よ。
引退したとき、奥さんにちゃんとした身体で返さないといけないの。
小林、あとでボクにいいました。エディさん、ありがとう、って。
男のラブよ。あのラブでないの、わかります?
負けたときが大事なの。勝ったときはいいの。
世界チャンピオンになったら、みんなウオーッといってリングに上がりますね。
だっこして肩車しますね。狂ったようになりますね。
でもボクならない。一番最後にリングに上がるの。よかったね、おめでとう、というだけよ。
夜、ドンチャン騒ぎありますね。でもボク騒がない。
ナイスファイト、また明日ね、といって帰るの。
でも負けたときは最後までいます。病院にも行くの。
ずっと一緒よ。それがトレーナーなの。わかります?』

 

(ジムにあった指導用の竹刀を見つけて)
『アレ捨ててよ。アレあったらボク教えないよ。牛や馬みたいに叩かなくてもいいの。
言いたいこと言えば分かるんだよ』

 

『イオーカ、彼女できたらね、ボクと会長に預けるの。
引退するときまでね、オナカ大きくしないでね、きれいなままで帰します』

 

『いい彼女をつくるのよ。勝ったときにね、抱きついてくる彼女はいらないの。
負けたときにね、泣きたいときに助けてくれる彼女をつくるの』

 

『ボーイにとって6回戦が壁ね。この壁を抜けたら上に行けますよ。
いまやめたらだめ。ボーイいいもの持ってるの。
でも心の扉、閉じてるね。ボク、それ開けられますよ。
ボクね、昔のケンカ坊主、あんたはいまのケンカ坊主。
ケンカ坊主の気持ちはケンカ坊主が一番よくわかるの。』

 

『僕ね、ボクシング以外何もできないけど、ひとつだけ得意なことあるよ。
それはねぇ、しおれた花をしゃんとさせることよ。』


うまく伝わわらないかもしれないけど、書いていたら泣けてきた(ノ_-。)

この本を読むと、エディさんとボクサー井岡って、マンガ「はじめの一歩」の鴨川会長と一歩の信頼関係がシンクロするし、亡くなる時の話は、映画「ロッキー3」のトレーナーのミッキーとロッキーの話と酷似する…

こうなると、エディさんの本をもう一つ読みたい。
オーケー!ボーイ
「オーケー!ボーイ エディさんからの伝言」
エディさんの奥様、百合子・タウンゼントさん監修の本です。
これも近いうちに買おう(^-^)

エディ・タウンゼントドキュメンタリー動画

youtubeにアップされていました。
そのうち削除されるかも。

泣けた(ノ_-。)

遠いリング (岩波現代文庫―社会)

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後藤 正治

価格 : 12,095円

     
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